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「思考力」とは

問題解決のプロセス
思考には様々な定義があるが、本検定では思考を「問題解決のプロセス」と考えている。思考は、問題を解決しようとするところから始まり、いろいろな推論の末、解決が得られたところで終わるからである。
さらに一般的な言い方をすれば、思考は「既知の情報から、価値ある新しい情報を導きだすこと」と言うこともできる。問題解決も「問題に与えられた条件」を「既知の情報」、「問題の解決」を「価値ある情報」と見ることができよう。思考力によって解決できる問題の程度がきまると考えられるので、どの程度の問題が解決できるかを見ることによって思考力の程度を知ることができると考えられる。
本検定では数学の学力を調べるとともに、その問題解決を通して思考力も見ようとするものである。


問題解決での「思考力」の重要性

数学を通して身に付けられる思考力
「思考力」を問題解決のプロセスとしたが、問題が解決できる力は数学に限らず大切な力である。問題解決という目で見れば、日常生活は問題解決の連続と見ることもできる。家庭でも学校でも、社会生活においても、大小の問題を解いている。その際、新しいことを見つけたり、法則を発見することが必要なことがある。起こり得る場合を丁寧に列挙し、それぞれの場合を処理しなければならないこともある。正しいことが認められていることを基に推論し、正しい結論を導かなくてはならないこともある。

日常の問題を解決するときにもいろいろな考え方が用いられるから、日常の問題の解決を通しても思考力を養うことができるのではないかと考えられる。しかし、日常の問題解決ではいろいろ考え方が複雑にからまって用いられており、その程度を明らかにしたり、その程度を決めたりすることは難しい。それに対して数学の問題解決では、考え方や思考の程度を特定することができるので、思考力を養うこと、思考力の程度を知ることが容易である。数学の学習を通して思考力を養うことができるというのはそのためである。

数学を通して身に付けられた思考力は、日常生活の問題解決にも、新しい法則を見つけたり、考えるべき場合を丁寧に整理するためにも、言葉にそって忠実に考えたり、論理的に考え事柄の正しいことを筋道を通して主張したりすることができるためにも役立つものであり、その力を養うことは生きる力の基礎として欠かせないことである。思考力の検定は、身につけている思考力の程度を知らせ、さらに程度の高い思考力を身につけることを励ますことに役立つものと考える。


「思考力検定」の特長

各級が新学習指導要領の指導内容に関連している。
本検定は、10級から1級までの検定級がある。それぞれの級は、文部科学省の新学習指導要領の内容と関連している。例えば、8級は、小学校4年〜5年程度であり、検定問題の内容も整数、小数・分数の基本的な理解や面積・角などの理解である。これは、学校教育の内容に沿って、自らの思考力を判断することができる。

学校教育を修了した人でも自由に取り組むことができる。
本検定は、「思考力」を「問題解決のプロセス」と位置付けているので、問題内容は学校教育で指導されるものと同時に、一般的な問題解決に関わるものを幅広く扱っている。例えば、問題の中に提示されてあるいくつかの条件を組み合わせて、新しい条件を作り問題を解決するものなどがある。したがって、学校教育を修了した人が数学的な内容に興味を持ち、数学的な思考力技能を身に付けたいと考えたとき、抵抗なく取り組めるようになっている。

問題構成は、大きく分けて三つの項目から構成されている。
本検定の問題は、大きく分けて三つの項目から構成されている。一つは、学校教育と関わって、基礎的基本的な知識・技能を問うものである。また、一つは条件や情報を得て、それを組み合わせることによって問題解決をするものである。そして、もう一つは空間観念に関わるものである。これらの三つの項目は、前述した学校教育や生涯教育との関わりの中で構成されている。

思考過程を見るために記述問題を含めている。
本検定では、問題解決に際して、答えだけでなく答えを求める過程をみる問題を含めている。問題を解決する過程は多様である。問題解決には、一つの方向からのアプローチだけでなく、多方向からのアプローチが大切である。本検定では、記述問題を含めているので思考過程を丁寧に検定することができる。


検定する思考力/検定する範囲

10 級(小学1年〜2年程度)



・いくつかの簡単な情報の中から、必要な情報を選び出す力
・試行錯誤しながら考える力
・平面の図形を捉える力


数の構成の基礎、加減乗法、長さなどの量の基礎、平面図形の基礎
9 級(小学3年〜4年程度)



・いくつかの簡単な情報の中から、必要な情報を選び適用する力
・試行錯誤しながらねばり強く考える力
・平面における位置関係を把握する力


四則計算、大小・長さ・かさ・重さ・時間などの基本、整数の基本、平面図形・立体図形の基本、表やグラフの基本、数的推理など
8 級(小学4年〜5年程度)



・与えられたいくつかの条件を適用する力
・いくつかの観点で整理された情報の一部から、他の情報を導く力
・図や表を用いて情報を整理する力(問題場面を図示し問題の構造を把握する力)
・平面における移動や回転を想像する力


整数、小数・分数の基本、面積・角・円の基本と理解、平面図形の基本と理解、数的推理など
7 級(小学5年〜6年程度)



・与えられた複数の情報から、必要な情報を見つけ適用する力
・与えられた情報(条件)を、使いやすい情報(条件)に作り直す(言い換える)力
・いくつかの場面に分けて、丁寧に考える力
・空間における位置関係を把握する力


偶数・奇数、面積、速さ、割合、円周率、平面図形の基本と理解、数的推理など
6 級(小学6年〜中学1年程度)



・いくつかの情報の共通点やいくつかの情報から性質(法則)を帰納的に見つける力
・与えられた情報(場面)から法則を見つけ、その法則を適用する力
・逆向きに(結論から)考える力
・平面や空間におけるものの移動を想像する力


分数の理解、約数・倍数、比例、平均、表面積、立体図形の基本と理解、柱体、錐体、体積、容積、対称、数的推理など
5 級(中学1年〜2年程度)



ある条件を満たすものの集合を作り、それに他の条件を加えてさらに絞りこんでいく力
複数の条件を満たすかどうかをチェックし、条件に当てはまらないものを排除していく力
・二つの立場からの情報を、一方の立場に統一して考える力
・数量の関係を文字を用いて表し関係を把握する力


正の数・負の数の計算と利用、文字の式、一次方程式の解き方と利用、関数と比例、図形、数的推理など
4 級(中学2年〜3年程度)



・与えられたいくつかの情報を組み合わせて必要な情報を導き、それを用いる力
・推移律を利用して結論を導く力(問題を解決する力)
・図・表・式に表して問題の構造を把握する力
・命題の矛盾を認め、修正する力
・空間において複雑に回転したり移動したりするものを想像する力


式の計算、方程式、連立方程式の解き方と利用、一次関数、図形、確率、数的推理など
3 級(中学3年程度)



・条件過剰の場面から必要な情報を選択して、処理する力
・与えられた情報(条件)を組み合わせて、使いやすい情報(条件)を作りだす力
・仮定をおいて推論し、他の条件も満たすように訂正しながら解決に接近する力
・視点を変えて命題を作り直す力
・否定命題を作って考える力


式の計算、因数分解、平方根、二次方程式の解き方と利用、関数、図形、数的推理など
準2級(高校1年程度)



・与えられた場面の条件を整理し、解決しやすく再構成する力
・複数の条件をたがいに関係させながら推論していく力
問題を解決するために必要な数学的知識を選び出し、それらを組み合わせて問題を解決する力


二次関数、方程式と不等式、初等幾何、個数の処理、三角比、身近な統計の見方
2 級(高校2年程度)



与えられた場面のきまりを見抜き、それを課題の解決に利用する力
課題の解決に必要ないくつかの下位課題を設定し、その解決をもとにして課題を解決する力
表にまとめたり、図式化したり、文字や数で表したりして問題を扱いやすく作りかえる力


三角関数、指数・対数関数、実数、数列、ベクトル、確率・統計のやさしい応用、微分・積分(入門レベル)、高次方程式、図形と方程式
準1級(高校3年程度)



与えられた場面が数学のどんな分野に関係しているのかを判断し、その数学を使って問題を解決する力
・数多くの条件(情報)を関係させながら推論していく力
・既習の数学を発展させて考えることができる力


極限、行列、微分・積分、二次曲線、確率・統計(基本的なもの)
1 級(大学・一般)



与えられた場面がどんな数学と関係しているのかを見抜き、最も適した数学を適用する力
社会現象や自然現象の中に数学を見出し、その現象を数学の場面に翻訳して問題を解決する力
明記されていないものも含めて、関係する条件を整理し、それらを適切に使って推論していく力


線形代数、微分積分学、位相幾何、確率・統計、数論(初等幾何(空間も含む))、離散数学(それぞれ入門レベル)


受験のめやす/検定料/検定時間

検定級 受験のめやす 検定料 (税込み) 検定時間
10級 小学1年〜2年程度 2000円 50分
9級 小学3年〜4年程度 2000円 50分
8級 小学4年〜5年程度 2000円 50分
7級 小学5年〜6年程度 2000円 60分
6級 小学6年〜中学1年程度 2000円 60分
5級 中学1年〜2年程度 2000円 60分
4級 中学2年〜3年程度 2000円 60分
3級 中学3年程度 2500円 60分
準2級 高校1年程度 3500円 90分
2級 高校2年程度 4000円 120分
準1級 高校3年程度 4500円 120分
1級 大学・一般 5000円 120分

※記載されている学年は、およそのめやすです。


受験資格/ダブル受験

受験資格
制限はなく、希望する級を受験できる。


ダブル受験
  1. 同じ試験日に同じ会場で実施する級の中で、2つの級を一緒に受験することが出来る。

  2. 申し込みの方法は、各級毎に申込書を必要とする。



合格基準など

合格基準
  1. 1級〜準2級・・・全問題の60%程度正答の場合を合格と認定する。

  2. 3級〜10級・・・・全問題の65%程度正答の場合を合格と認定する。


データ収集・アンケート調査
  1. 定期的及び必要に応じてアンケート調査を行う。

  2. 各県算数・数学研究部会等の依頼に応じて、協会の先生方を派遣し研究会を実施することがある。

  3. 研究・データ収集のために、特別条件で検定を実施する場合がある。

  4. 成績優秀校、優秀者等を発表することがある。




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